知識ゼロからの真田幸村入門/大河ドラマ真田丸ファンにおすすめできる書籍本

NHK大河ドラマ真田丸の便乗本。その便乗にあやかり、大河ドラマをより深く理解し、楽しむための予習として手に取りました。予習のために手にとった幸村関連本や戦国本としては4冊目です。ようやく真田幸村のことがわかってきました。

真田幸村のことがマンガで3時間で分かる本」という類似本があるのですが、内容はほとんど同じ。構成もほとんど同じで、見開き2ページのうち半分がテキストで解説、もう半分は図や絵、マンガで視覚的に解説してくれます。

どちらかというと、知識ゼロからの真田幸村の方が学術的、真田幸村のことがマンガで3時間でわかる本はエンタメ要素強めという感じでしょうか。

わかりやすい真田本!政治史よりも真田幸村や真田家の人物、人間関係によりページが割かれる

知識ゼロからの真田幸村入門 (幻冬舎単行本)

戦国時代を語る上で外せないのが、各武将のその時々の関係を巡る政治史です。戦国時代は本当にその時々で状況が一変しますし、敵同士で戦っていたのに、数年後には家臣になったり、味方になったり、また敵同士になって戦ったりと細かい情勢を把握するのが難しい。

中央を舞台にした主導権の移り変わり、侵攻、合戦はとても重要なんですが、この本はそういった解説もありつつ、どちらかというと真田家(父親の昌幸、兄の信幸、幸村とその家族)の動向を中心に解説してくれました。

前述の「真田幸村のことがマンガで3時間でわかる本」は政治史を柱にその時々で関わる真田幸村のことを解説しますが、こちらの本は政治史と幸村の関係、幸村の家族と親交のあった人物、合戦解説、幸村ゆかりの地といろんな角度からの解説が多い感じ。

書いてある内容はほとんど同じなんですけど、解説する角度とテーマ決めが若干違いましたね。

知識ゼロからの真田幸村の目次と構成/政治の流れと真田幸村という人物を色んな角度から解説

簡単に内容を紹介しましたが、目次は以下のとおり。

  • 第一章 真田三代の歴史を紐解く
  • 第二章 真田一族と幸村の家族を追う
  • 第三章 真田家をとりまく人物
  • 第四章 真田軍団の戦術、戦略を解く
  • 第五章 幸村ゆかりの地を巡る
  • 真田幸村関係年

著者自身の言葉を借りると、この本の構成はこんな感じです。

第1章で、真田家のルーツと大坂の陣に至るまでの歴史の概略を追う。第2章では、真田家の家族や血縁関係、幸村の人柄に迫る。第3章では幸村とかかわりの深い大名や武将などの人物、小説などで活躍する「真田十勇士」について解説する。第4章では幸村が活躍した戦いを中心に、武略に優れた真田軍団の戦法について解説する。第5章では、幸村が戦った城や暮らした屋敷、往時を思わせる城跡などを紹介している。

知識ゼロからの真田幸村入門 (幻冬舎単行本)」まえがきより引用

家族関係や幸村とかかわりの深い人物紹介が非常に豊富です。政治史の流れよりも、真田幸村そのものに話題を集中させているような印象でした。(もちろん政治史の解説も多くてわかりやすいですけどね)

真田幸村に関わる色んな学説・定説を合わせて解説している

真田幸村が生きたのは今から400年以上前の、なんせ戦国時代です。分かっていることもあれば、当然記録が少なく色んな学説で揺れていることもたくさんあります。

真田幸村が大阪冬の陣で戦死したあと、遺児である娘のお梅を引き取った片倉重綱についても4つの定説を紹介しています。さらに、架空の世界の人物である真田十勇士についても、実在した人物がモデルではないか、という説がたくさんあり、その一つ一つを細かく丁寧に解説しています。

こういう一つの事象を定説で決めつけず、色んな角度から中立の立場で丁寧に解説してくれるマメな所は歴史好きにとっては非常にありがたい。たまに、著者の勝手な想像で断定されたり押し付けがましい持論を展開してくる歴史本もあるので、このあたり読んでいて気持ちよかったです。

真田丸の規模も最新の研究をもとに図解で解説

印象深かったのが第4章P149~の当時の真田丸を復元させた図解解説。真田丸は大阪城の南に築かれた半円状ので城でしたが、東西220m以上、南北150m以上の復元図が示されています。

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三方にあった空堀の位置、高さ、どこでどんな戦いができるように計算されて築かれたのかが初心者の私でもよくわかりました。特に塀と井楼部分の解説が想像を掻き立てられます。

2階建ててで、2mごとに鉄砲を撃つための穴が開くとか、1回は雨でも火縄銃が撃てるようにとか、2階は応援に駆け付けられるようにとか、裏には通路があってとか、ここにある小さな出っ張りから石を投げるとか。

近年の研究ではもっと規模が大きかったことが分かっていると明記されていましたが、400年前の真田丸も結構詳しく研究で規模や姿がわかっているんですねぇ。詳しくは本書で!

真田幸村の人物評に思わず笑ってしまった

第2章のP70にある「兄から見た弟」という項目で、真田幸村の人柄について触れられています。NHK大河ドラマで真田幸村を演じるのはご存知、堺雅人さんです。

で、その幸村の人物評がこう書かれていました。

幸村は、屈折した性質がなく、よく人と交わり、笑いながら話をすることが多かったという。

(中略)

幸村は、ひとことでいえば穏やかで。地味な人物だったようである。「柔和で物静か。口数は少なく、怒ったり腹を立てるところを滅多に見たことがなかった」と兄・信幸が評している。

この人物評、堺雅人そのまんまやないか!!(笑

脚本を担当する三谷さんもこの一文で堺雅人さんを想像したのかもしれませんね~。