直系子孫が明かす!真田幸村の真実/普通の人の歴史の見方とは違う面白さ

直系子孫が明かす! 真田幸村の真実」という本が発売されています。この本の著者は仙台真田家14代目当主の真田徹氏。

真田幸村は大坂の陣で討ち死にし、息子の大介も自害しました。しかし、真田幸村には多くの子供たちがおり、その子供たちの多くが敵将の家臣片倉重綱に引き取られ、仙台で生き延びてきました。

あれから400年、その血は脈々と受け継がれ。仙台真田家は14代目を迎えています。子孫が先祖を語る、子孫が歴史を語るという珍しい切り口での本です。

仙台真田家14代目の子孫が語る真田幸村エピソード!総評と感想

直系子孫が明かす! 真田幸村の真実

私が今まで読んできた真田幸村関連の本の中で一番面白かったです。

歴史に関する本の難しいところは、一次資料が限られているので、大抵どの本でも似たような内容になりがちです。その点、この本は面白い。何せ、真田幸村の直系子孫が真田幸村を語るのですから、絶対他の人には真似できない内容が盛り込まれていますからね。

400年の時を超えて徳川宗家18代目当主と仙台真田家14代目当主による対談、真田家の謎と子孫の見立て、そして大河ドラマの時代考証を担当する平山優氏のインタビューなど、見どころは満載です。

こういう角度から歴史を見ることも出来るんだなぁと色々勉強にもなりました。

「直系子孫が語る!真田幸村の真実」の目次

激闘から400年恩讐を超えて今語る、家康&幸村!
徳川宗家18代目当主 徳川恒孝氏×仙台真田家14代当主真田徹氏

仙台真田家の謎
なぜ幸村の子孫が生き残れたのか。
仙台真田家の秘宝

真田幸村を巡る謎と真実
謎1~謎17

全国各地、こんなにある真田幸村伝説

真田幸村ゆかりの地ガイド

NHK大河ドラマ「真田丸」時代考証担当平山優氏が語る
最新の真田幸村(信繁)像

全部で127ページのハードカバーですが、読み応えと見どころは十分です。真田家に伝わる甲冑や兜などをはじめとした遺品の数々も写真で収録されています。

やはり真田幸村の子供や家族などの情報は他の類似本の明らかに凌駕する内容です。通説で聞いたことのある内容ばかりでも、もう一段階上の見立てや情報も盛り込まれています。

真田幸村に関する知識は既に十分にある方でも、子孫の真田徹氏による見立てやコメントだけでも楽しめます。初心者向けの本では満足できない方でもこの本なら十分に満足できると思いますよ。

徳川宗家18代目当主と仙台真田家14代目当主による対談が面白い

この本の見どころは、一番最初にある徳川宗家の子孫と真田家子孫による対談。これは子孫という立場でないと出てこない会話が多く、面白い。お互いの先祖をものすごくリスペクトしているのがよく分かります。

例えば、下記に引用した部分。

 

徳川「(略)去年の10月ぐらいに、大坂の陣で亡くなった方たちの霊を慰めるという法要会があって、真田さんと二人で大阪へ行きましたよね。そうしたら、大坂の人は真田さんばかりに殺到して、私のところにはどなたもおいでにならなかった。いかに人気が違うか……。」

真田「そこまでではなかったですよ。ただ、日本人は負けた方にシンパシーを感じるからだと思います。静岡でやっていたら全然違うと思いますよ。」

どれだけ歴史が好きでもどれだけ歴史を研究していても、こういう会話は絶対出来ません!むしろ、こういう立場で歴史と関わっている人もいるんだなぁと。それはそれで難しい立場ですけどね。ちなみに、徳川恒孝氏の子供の頃のヒーローは真田十勇士だったそうです(笑)

お互いにリスペクト、謙遜しあいながらも、2016年の大河ドラマ「真田丸」には大きな期待をかけていました。

真田幸村の直系子孫の系譜と仙台真田家の養子

真田幸村は大坂の陣で亡くなりましたが、息子と娘数人は敵方の武将、伊達家家臣の片倉重綱に引き取られて生き延びています。その中の一人、大八という息子はその後片倉守信と名乗りました。

1640年、伊達家の家臣になった守信は2代目藩主から「真田性」を名乗ることを許されますが、幕府からの追求にあい断念。

その後1712年になって、守信の息子の代でようやく幕府からも真田性を名乗ることが許され、幸村の死から97年の時を超えて真田性が復活。江戸時代、幕末、明治、大正、昭和と経て平成の今、真田徹氏が14代目当主です。

仙台真田家の系譜をみると、途中6代目、7代目、9代目、12代目に養子が入っているので、純粋な血筋の子孫ではないかもしれませんが、一応は直系の子孫に当たります。

真田幸村に関する通説と仙台真田家の子孫の見立て

真田家に関する17の謎に対し、真田家14代目当主の見立てが語られます。17の謎はこのような内容です。

  • 犬伏の別れに関するもの
  • 九度山での蟄居生活
  • 道明寺の戦いでの遅参
  • 幸村の最期
  • 幸村の生年に関すること
  • 片倉成綱に保護された後の大八と子孫
  • 幸村の子供は何人いたか
  • 幸村の妻(正室)の竹林院について
  • 幸村に関する様々な伝説について

大まかに内容を書きましたが、やはり幸村の家族関係や合戦、あとは事実に対する解釈などが中心。ある程度歴史知識が揃っていないと内容を理解するのはしんどいと思いますが、基本知識さえあればすごく面白い。

途中、想像の世界での解釈や真実かどうかわ分からない見立てがあることは事実ですが、それがまたこの本の魅力です。事実かどうか、史実が嘘かの二元論で歴史を語るのではなく、もっと広い枠で真田幸村を理解できると思います。

まとめ

個人的にこういう切り口の本はすごく好きです。歴史本は資料が限られているので、本を色々読んでも内容がほとんど同じだったり、強引な解釈、○○贔屓だったり、癖のある本も多いです。

その点、真田幸村の子孫が語る真田幸村の真実というのは非常にわかりやすく、歴史ファンの想像を駆り立ててくれます。大河ドラマのストーリーと見比べながら、一冊手元においておくのもいいんじゃないでしょうかね。