【35歳までのお金の教室】稼ぐ力、貯める力、増やす力、使う力を浅く広く

Amazonのマーケットプレイスでは、今や1円で売られている本。発売が2013年、この本を読んだのが2015年なので、たった2年でこの本の価値が1円にまで下落したということ。それがすべてを物語っているような本でした。

35歳というリアルな年齢に区切りをつけて、具体的なお金のことに触れられているかと思いきや、期待を裏切られました。

個人的に、この本を読むまでに数冊お金の勉強本を読んでおり、内容がかなり被っていました。それだけ重要な事柄なのでしょうが、他の本と比べていまいち踏み込めていない、内容が浅い所に終始していたように感じます。

まだお金の勉強を始めていない超初心者が読み始めるにはいいと思いますが、ある程度のマネーリテラシーが身についてきた人には不要な本だと思います。

「35歳までのお金の教室」の内容と感想

35歳までのお金の教室 ――No.1コンサルタントが教える「知らないとマズイ」常識44

「お金の教室」とありますが、内容の7割ぐらいは仕事観や仕事に対する考え方、取り組み方などが中心で、それに付随して「稼げる人、稼げない人」の習慣に結び付けている内容。

お金を勉強すると言うと、だいたいは「稼ぐ」、「貯める」、「増やす」、「使う」という4つの側面がありますが、「稼ぐ」のところに最もページ数が割かれています。運用や増やす部分は当たり障りのない内容で、浅く広く中途半端な印象が残ってしまい、わざわざこの本を手に取るほどの学びはなかったです(個人的に)。

お金の勉強を始めるために、増やす、稼ぐ、貯める、使うの3点を学ぶのなら、正直この本よりも他の本の方が最適です。

目次構成

構成は全5章。内容をかいつまんで紹介すると、

    • 第1章…お金の常識
    • 第2章…お金の使い方
    • 第3章…お金に困る人・まったく困らない人
    • 第4章…お金を確実に増やす方法
    • 第5章…お金を確実に増やす方法

この目次を見て面白そうだなと思ったのですが、内容は正直かなり微妙でした。

「35歳までのお金の教室」の感想・読後感

わざわざこの本を読まなくても、他の本で事足りる。むしろそっちの方がわかりやすく、丁寧で理解しやすいというのが率直な感想。

この本を読んでいて、あまりしっくりこないなぁとこの本を読みながら思っていたのですが、なぜこういう印象を持ってしまったのかを考えてみました。

  1. 稼げる人、稼げない人の安易な比較論
  2. 自分は稼げる側にいるという匂わせ方
  3. 説教臭い
  4. 著者の考えを押し付けられている印象
  5. 他にもっとわかりやすく、内容が深い、いい本を知っているま

私がこの本を手に取るときの状況やタイミング、あるいはこの本を読む直前に読んでいた本がどういうものだったのか、という読者側の背景とこの本の内容がマッチしなかった不運も正直あります。

35歳とありますが、この年齢を意識して書いているのは前半だけで、後半は年齢に特にかかわりのない内容が多いのも気になりました。まぁ、数ある意見の中の一つとして軽く読むのにはいいと思いますが、35歳の人が読んでもなぁ…という感じ。

説教臭く押しつけがましく感じてしまった理由

「35歳までのお金の教室」では押しつけがましい意見があって、例えば「マイホームは持ち家か賃貸か」という答えのない永遠のテーマで「持ち家派」と断言しています。

それだけならともかく、若い人にも薦めているとか、「賃貸は賛成しない」など、それは読者の価値観に左右される部分にまで踏み込むのはどうなのか、と…。物事は自分で知識を修得し、その知識や経験をもとに、自分の頭で考えて判断することが重要です。それを押し付けてしまうのは、何か腑に落ちない。

他人の言葉の引用が多い

松下幸之助の話がとても多く出てきます。他にも、投資の神様と言われたバフェットも多く登場します。

成功者の体験や声を引用するのはいいのですが、回数が多すぎるという点と、成功者の声は成功者の声であって、筆者に帰属するものではありません。それがあまりに多すぎると、逆に内容が説得力がなくなり、陳腐化するように感じました。

他人の言葉や経験ばかりを引用するのではなく、もっと自分の言葉で語って欲しいなぁと思います。

安易な比較論が多く、踏み込みが浅い…?

Aという習慣が大事です。Aの習慣は稼げる人の特徴ですが、真逆の習慣を持っている人は稼げない人の特徴です。(ちなみに私はAの方です)という何か安易な論調が多く、それが何度も繰り返されていくので、正直読んでいてうんざりしてきます。

同じ物事を伝えるにも、読者にストレスなく、大切なことを伝えるには他にもっといい伝え方があるように思うので、この辺の表現がもったいない。

他の本と内容が被っているので、目新しさがない

内容も他と被っているところが多くて、「これ、他の本で見たなあ」という箇所がめちゃくちゃ多かった。もちろんそれだけ大事なことで、それを実践出来ているかどうかが重要なのでしょう。

ただ、お金を出してこの本を購入している以上、他の本と内容が被りすぎているのはどうなんでしょう。本の価値としては「変わり映えしない内容」という印象がぬぐえません。

この点は、私がこの本を読む直前に同じジャンルの本をたくさん読んでいたから、というのもあるので難しいところですが。

お金の勉強をしたい方にお勧めしたい、他にもっといい本があります

例えば、お金の勉強に関しては「20代のうちにこそ始めたいお金のこと」とか「日本人が教わらなかった知っておきたいホントに大事なお金の話」とか、「人生が変わるお金の大事な話」なんかは初級~の基礎知識を入れるには最適です。

何より、著者の個人的なフィルターや押しつけが少なく、重要な事を学べるのがこれらの本のいいところです。特に「知っておきたいホントに大事なお金の話」は一番おすすめできます。

小難しい金利の仕組みや経済理論などを、とことんこだわって分かりやすく書かれているからです。リスクとリターンの原則、お金のプロたちの間で格言となっている言葉の数々などを紹介したり、よくここまでこだわって書いたなぁと感心します。

値段も1,500円程度なので、この値段であの内容を学べるのはコストパフォーマンス的にも優れています。